君色の音と私の恋
びっくりして両手で口を覆った瞬間、携帯のシャッター音がした。
ビックリして目を見開く私の目に映ったのは、いたずらっ子みたいな顔をしてスマホを構えた間瀬君で。
「この写メ、ずっと持ってていい?」
間瀬君は、見惚れるような笑顔で聞く。
照れくさかった私は、声を出す代わりに真っ赤な顔で頷いた。
「やべ、遅刻する」
その日も間瀬君は仕事があるみたいで、慌てたように教室を飛び出した。
私に会うために、来てくれたんだ。
ありがとう。
私、もう負けないよ。
何があっても、夢をかなえるから。
もう一度、間瀬君に会いに行くから。
待っててね。
目を閉じると鮮やかに浮かぶ。
さらさらと揺れる、金髪みたいに茶色の髪。
次に会った時には伝えよう。
間瀬君。私も好きですって。