君色の音と私の恋
暴れだした心臓が、今にも口から飛び出してしまいそう。
気持ちを落ち着けるように、大きく2回深呼吸すると、真っ直ぐに間瀬くんを見つめる。
「あなたのことが好きです」
言い終えると同時に、広い胸のなかにすっぽりと抱き締められた。
「俺も佐藤さんのことが好きだ。これからは、ずっと俺専属のヘアメイクさんでいてくれる?」
間瀬くんの胸の鼓動を聞きながら、「はい」と頷く。
時に、もうどうでもいいやって諦めることもあったけど、
その度に、あなたが勇気をくれた。
寂しさや痛み。苦しみと向き合って。
それでも未来を信じて生きてて良かった。
私には夢がある。
あなたもいる。
どんな苦しみだって怖くない。
間瀬くん、
あなたに出会えて良かった。
私がここに存在する意味を、あなたが教えてくれた。
澄んだ茶色の瞳を見つめる。
「大好き」
―end―