君色の音と私の恋



学校が嫌い。



朝、早く起きなきゃいけないのも、



息もできないくらいぎゅうぎゅう詰めの電車も、



退屈な授業も、



気を遣うクラスメートとの会話も、



何もかもがおっくうで、



大嫌いだったのに。





彼にドキドキする自分に、私自身がびっくりしてた。



こんな感情が、自分の中にあったなんて。





陳腐な言い方で好きじゃないけど、



例えば、モノクロだった日々が色づいたみたいな。



なんだか彼と会話をした数秒間が、尊いくらいにキラキラと眩しく思えたんだ。









佐藤夕(さとうゆう)15歳



案外、学校も悪くないかも。



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