この先の君を見るために
授業中。俺の頭は清水さんの事でいっぱいだった。
今俺は、3回同じ内容を習っている。
この不思議な体験は、確実に普通じゃない。
この力?能力?は、俺のものなのだろうか、それとも何かの物に宿っているものなのか、もしくは夢なのか。
俺にわかることは、今のところ清水さんを救うことしか分からない。
もし、今日俺が清水さんを救う事が出来たら、俺はどうなるのだろうか?
元の時間にもどる?それともこのまま清水さんのいる世界で暮らすのか、
そもそも何故俺は時間を行き来することが出来たのか。
あの鈴の音は、なんなのか。
まず、最初の課題は清水さんを事故から守ること。その次に、俺がどうなるのかだな。
難しいことは置いといて、今は明確な目標をたてて、それを一つづつ片付けるようにすれば、きっと全て分かるだろう。
それでいい。
キーンコーンカーンコーンーーー
結論が出るのと同時に、今日の授業の終を告げるチャイムがなった。
気合を入れ直し、席を立つ。
「今日が一番重要だ...」
小さく呟いた後、鞄を手に取り、バス停に向かった。