君の未来を愛していこう
「むしろ逆に、未来はいいことばかりだって、思うようにしてるよ。だって未来って、自分次第でいくらでも変わってくるでしょう? だから、自分が選んだ道は間違ってないって信じて、とにかく前を向くの」
まだ知らない新たな道。でもその行き先が目指していたものならば、きっと……。
「きっと、拓人の未来はいい未来だよ」
「……いいって、どんなふうに?」
「うーん、まあ。幸せになれるような未来、かな。自分で選んだ未来だもん。自分を不幸にするような未来なんてきっとないよ。自分で望んだ未来なら、きっと胸を張って歩いていける。たとえ進んだ道でつまずいたとしても、それが悪い未来になるかいい未来になるかは、自分の意志で変わると思うんだ。途中で悪い方向にばっかり気持ちが傾いてたらダメだと思うけど、自分が思い描いた未来を目指す強い気持ちさえあれば、望んだ未来は作り出せると思う。だから目指したい未来を精一杯大切に作っていけば、どんな未来だって幸せなものになるんじゃないかな」
拓人はちゃんと、拓人が進みたい道を選んだ。ずっと高みを目指していた君らしいその選択は、間違っていないと思う。
今は新たな門出に立って少しナイーブになっているだけだろうけど、やがてその道を歩き出せば大丈夫だ。
君の未来は、君を裏切るようなやわなものじゃないから――。
小さな幸せを集めて生きていく。大きな幸せを簡単に手に入れて生きていく。
涙を流しながらも、誰よりも強く生きていく。涙を堪えて、それを力に変えて生きていく。
人の生き方も未来も、それぞれ違う。違うからこそ、おのおの輝いている。