大きな背中と…
「とりあえずぅ、こうえんいこーよ」
と、言う声に皆賛成して公園へと向かう。
きゃっきゃっと子供みたいにはしゃいでる皆を遠目に見守る私。
すると、隣に木村綾人がニコニコしながら座る。
『座っていいなんて言ってない』
「こわいっ!」
彼と出会ったのも、こんな感じだったなぁ。
と、思い出しながら空を見る。
数分の無言があり先に口を開いたのは木村綾人だった。
「ねぇ、秋乃ちゃんはさ…?今楽しい?」
そんなことを聞かれバッと振り向く。
『……楽しいよ』
そう言うと悲しそうな目をする木村綾人。
そんな顔しないでよ。
「嘘だ…よね?」
『なんで言い切れるわけ?』
お願いだから私に
そんな顔を向けないで。
悲しそうな顔をしないで。
君に、
君に私の何がわかるっていうの。
「顔は笑っててもさ、心が笑ってないんだよ。俺にはわかる」
そう、微笑むと立ち上がる木村綾人。
『あんたに、わかるわけないでしょ…』
そう、睨むとニコッと笑い
「綾人」
『え?』
「綾人って呼んで」
月明かりに照らされた彼を少しだけ
綺麗と
思ってしまった。
『綾…人…は、…綺麗なんだね…』
「ん?告白?」
と、ニコニコしながら手を開いてくる。
抱きついて来いってことかな?
『違うよ、馬鹿』
「馬鹿なんてひどい!」
そう、あからさまに落ち込む…
綾人…。
『…木の話』
「木…??」
そう、もう一度聞かれてこくんと頷く。