大きな背中と…
「秋乃おはよん」
椅子に座ろうとすると、
前から私の二人目の友人である
矢口麻里奈が、前の椅子に座る。
彼女は所謂不良??
『おはよ、マリ。今日も凄くハデ』
「なにぃ、それ褒めてんのぉ?」
『な、わけ…』
そう言うと、ブスッとしながら
「秋乃はマリに冷たいよねぇ、綾ちんには優しいのにぃ」
『そーゆうとこあるよね』
「秋乃がねっ!?あ、木村君〜。この子長田秋乃〜」
バッと廊下を通った誰かに声をかけるマリ。
「おー、マリちゃんだっけ??どの子どの子?」
と、如何にもチャラそうな男が私達の元へと近づいてくる。
『マリ』
「怒んないでよぉ、うちのクラスの転校生の木村君だよん」
と、その木村くんという彼の腕に絡む。
「どーも、木村綾人ね、よろし…び、美人!!!」
『は……?』
木村綾人。
彼と出会った事によって
自分が変わっていくことなど
想像もできなかったししていなかった。
白い雪に
淡いピンクの絵の具が一粒
落ちた。