大きな背中と…

放課後。

『綾帰ろ』

そう、綾の席の前にいき早くと急かし教室を出て行こうとすると

ギュッと後ろから今日二度目のなにかが抱きついてきた。

「秋乃ちゃん、いい匂い」

バチンッ

「いったーあい!」

『人の許可なしに抱きつくな。それと、話しかけてこないで、いこ』

「え、ぁうん」

と、少し戸惑いながら小走りでついてくる綾。

「木村くんほっておいてよかったの?」

『あんな、チャラ男はあれでいいの…』

と、早足でロッカーへと向かう。

「ねぇ、私今日裕太と遊ぶんだけど秋ちゃんもどう?」

と、覗き込んでくる綾。

『私、今日予定あるの。ごめんね??』

「ううん、大丈夫!また遊ぼうね!」

綾は裕太の事が好きで裕太も綾の事が好き。

そんな二人の邪魔なんてできるわけないし、

綾とは毎日会えるから。

分かれ道になり

『じゃね』

そういい、家の方向へとむくと

「秋ちゃん!!」

『ん?』

振り向くと笑顔の綾がいて

「何かあったならなんでも言ってね!ばいばい!」

そう言って走って帰る綾。

嗚呼、本当にいい友達を持ったなぁと思う。

我ながら友達運だけはついてるんだよね。

少し泣きそうになりながら家へと足を踏み出す。

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