僕の命が尽きるまで
「決めたんだ。命が尽きるまで、好きな事をして過ごすって。今までずっと、敷かれたレールの上を歩くだけの人生だったから」
本当は冬菜ちゃんと別れるのも嫌だった。
でも仕方なかった。
そういう、運命だったから。
「あんた、入院しなくていいの?」
「手の施しようは、もうないんだよ。命を伸ばす治療ってのも、できるみたいだけど……病院で命を終えるなんて嫌だから」
「……」
「最期くらいは、好きな子のそばに、寄り添っていたい……」
「優月くん……」
彼女はプイっとそっぽを向いて、ぶっきらぼうに「わかった……いいよ」と呟いた。