僕の命が尽きるまで
「あれは私がまだ中学1年生だった時。家に警察が来たの。連続幼女誘拐殺人の容疑で逮捕状が出てるってね。捕まるのが怖かったのか知らないけど……父は私や母や警察が見てる前で自らの首を包丁で切り裂いて、たくさんの血を流して死んだの」
全く、知らなかった。
彼女に隠された深い闇。
「今でも鮮明に覚えてる。父が切り裂かれた首筋からたくさん血を噴き出して死ぬ姿……。たまに夢に見る事もあるの」
僕の知らないところで、苦しんでいたんだ。
……独りで。
「それからはもう、最悪な日々よ。犯罪者の娘ってレッテルを貼られて、学校の人達にも近所の人達にも冷たい目で見られ続けた。中学2年になる頃にはいじめられるようにもなった……高校に入っても、いじめはなくならなかったし」
……そう。
彼女はいじめられていた。