僕の命が尽きるまで





「あれは私がまだ中学1年生だった時。家に警察が来たの。連続幼女誘拐殺人の容疑で逮捕状が出てるってね。捕まるのが怖かったのか知らないけど……父は私や母や警察が見てる前で自らの首を包丁で切り裂いて、たくさんの血を流して死んだの」



全く、知らなかった。


彼女に隠された深い闇。




「今でも鮮明に覚えてる。父が切り裂かれた首筋からたくさん血を噴き出して死ぬ姿……。たまに夢に見る事もあるの」


僕の知らないところで、苦しんでいたんだ。

……独りで。



「それからはもう、最悪な日々よ。犯罪者の娘ってレッテルを貼られて、学校の人達にも近所の人達にも冷たい目で見られ続けた。中学2年になる頃にはいじめられるようにもなった……高校に入っても、いじめはなくならなかったし」



……そう。


彼女はいじめられていた。



< 43 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop