僕の命が尽きるまで
そんな彼女を、僕は助けた。
それがキッカケで僕らは少しずつ言葉を交わすようになって、仲良くなっていった。
少し人見知りで、不器用な冬菜ちゃんは「不愛想な人」とか「感じ悪い」って周囲の人から誤解される事も多かった。
「父が死んでから、母は働くようになったの。夜のお店でね。そのせいで母は毎日毎日、派手な格好していろんな男と遊び歩くようになった。良い年して、ビッチ女になったの……」
淡々とした、抑揚があまりない話し方。
恐らく、話す事さえ辛いような話。
多分、無理して話してくれてるんだ……。
「家にも滅多に帰って来なかったし……本当、困った人だった」
今の僕にできるのは、彼女の話をただ黙って聞いてあげる事だけ。