僕の命が尽きるまで




「……ごめんね」


眠る彼女の頭を撫でて、頬にそっとキスを落とした。




初めての事だ。


冬菜ちゃんが僕に、弱音を吐いたのは。




きっと、それだけ苦しかったって事。


僕が切り捨てたりしなければ、彼女がこんなにも傷ついてしまう事はなかったかもしれないのに。




「おや、すみっ……」


まだ涙が出てきた。



結局、明け方頃まで静かに泣き続けた。



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