僕の命が尽きるまで
「ごゆっくりどうぞー」
ニコニコ営業スマイルの店員さんが行ってすぐ、オレンジジュースを一口飲んで乾いた喉を潤した。
「……飲み物だけでよかったのに」
「まぁまぁ。甘い物食べて、カフェのゆったりした雰囲気を存分に味わおうよ」
早速、自分のガトーショコラにフォークを刺して、適量をすくって彼女の口元へ。
「ほら、あーんして」
「なっ、何言ってんの!家じゃないんだから、外でこういう事は」
「つべこべ言わないのー。早く!あーんして!」
「っ~」
渋りつつも、ぱくっと口に含んだ。
途端にすぐ明るい表情になって、
「おいしい……」
と、笑った。