僕の命が尽きるまで



お迎えが近い事を悟っても。

最後に何ができるんだろう。



僕は冬菜ちゃんに、何を残せるんだろう……。




「ねぇ……何か、欲しい物ってある?」


「え?」



一緒に朝ご飯の用意をしながら、さり気なく聞いてみた。




「欲しい物なんて……ないけど」


予想通りの答え。
相変わらず無欲な子だ。


アクセサリーを送って、それを形見に持っててもらうって……。

ドラマとかでよくある展開だけど。


それは少し、重いかなって気がする。


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