僕の命が尽きるまで
僕が買ってきたのは、花。
花をプレゼントって、我ながらキザだな。
「……それ、なんていう花?」
「この花は紫苑っていうんだよ」
薄紫色の小さくて可愛らしい花。
なんとなく冬菜ちゃんに似合う花だし、それに……。
「あんたって、花に詳しかったっけ?」
「本屋で花の図鑑を立ち読みして、何の花を買うか吟味したんだ」
「そう……わざわざ、ありがとう」
紫苑の花束を受け取って、冬菜ちゃんは「それにしても」と言葉を続けた。
「この花を選んだ理由って、何かあるの?」
「うん。2つある。1つは、冬菜ちゃんに似合う花だなって思ったから。もう1つは……」
言おうと思ったけど、やめた。