僕の命が尽きるまで
『うちの子と、別れてくれないかしら?』
休日に、突然うちにやって来たのは……優月くんの母親。
『あなたの事を調べさせてもらったわ。父親は小さい子を何人も殺した挙句に自殺。母親は夜のお店で働いて、客の男と毎日遊び歩いてるんですってね。こんな汚らしい家庭の子は、うちの子に相応しくないわ』
容赦ない、現実。
深海の底へ沈められたような気持ちになった。
『あの子は将来、うちの病院を次いで、うちの家柄に相応しいお嬢さんと結婚してもらうつもりなのよ。あなたは邪魔者でしかないの。うちの子を、これ以上汚さないでちょうだい』
生まれてくる家柄が、違い過ぎた。