君に捧げた7年間

こんなことを聞いていいものか迷った。
だが、この半年間、疑問だったのだ。

「なんで私に声をかけてくれたの?」

あの入学式、
座席は指定されていた。
愛海は私と隣の席ではなかった、私の真後ろの席でもなかった。
なぜわざわざ腕を伸ばし、愛海の斜め前にいる私だったのか。

「お待たせしました」

愛海の返答よりも先に店員さんが料理を運んできてくれた。
私の前には、出来たてだと主張するオムライスが置かれた。愛海の前にはパスタが。

「せっかく来たし、食べながら話そう」

愛海の声に私は頷いた。

「「いただきます」」

二人でそっと手を合わせ、言葉を発する。

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