君に捧げた7年間
「なんで、って聞かれると難しいんだけど」
愛海は唸るように答えた。
しばらく手を頬に当てて考えたあと、
「あえて言うなら直感?」
「この子のことを知りたいって思ったの」
愛海はそう言う。
そんな直感があるものなのか、と私は不思議でならなかった。
そんな直感だけで、私に声を掛けてくれたのか。
「愛海は」
それだけ言うと、愛海は嬉しそうな表情を見せた。
瞳が潤んでいるようにも見えた。
「なに?」
「嬉しくて、初めてじゃない?」
一体なにが初めてだと言うのだろう。
私には全く検討もつかない。