君に捧げた7年間
「眞緒があたしの名前呼んでくれた」
ああ、そうだったか。
自分の中では"愛海"と呼んでいたが、声に出すのは初めてだったようだ。
愛海は瞳から雫を落とすことなく笑顔を見せた。
「そっか」
こんな風に愛海が喜んでくれても、私は素っ気ない返事しかできない。
「正直もっと時間がかかるかなって思ってた」
「眞緒があたしの名前呼んでくれるの」
「?」
そう言われて私は疑問に思うと同時に、ムッとした。
「眞緒は人と関わりたくなさそうだから」
「あたしはそんな眞緒が、本当はどんな子なのか知りたかったんだよね」
愛海はそんなことを考えていたのか、と驚いた。