君に捧げた7年間

「こうやって一緒に出かけられてるし、あたしの名前を呼んでくれたし、大成長ね」

瞳の雫が綺麗に輝いている。
こんなにも私のことを思ってくれる友人が私には出来たんだ。
それがなんだか不思議な気分だった。
嬉しい、嬉しいんだが、私は愛海に返せて居るんだろうか。


はっと思い出した。

「小学校からの友達は」

入学式の日、教室に入った愛海は初めて見る顔だらけだという発言をしていた。
中学一年生の半年を共に過ごしたが、小学校の友人らしき人を見かけない。

「あたしは中学からこっちに来たから」
「友達も知り合いもいないの」

特に気にすることもなく言う。

「全部リセットして中学生をスタートしたの」
「あたしが仲良くなりたい子と仲良くならなくちゃもったいないでしょ?」

なんとも愛海らしい主張だと思った。
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