君に捧げた7年間
愛海のほんの一部だけしか知ったことにしかならないかもしれない。
だけど私は満足していた。
きっと私は、愛海にとって大切な存在になれているのか知りたかったんだ。
「ありがとう」
改まってこんなこと言うなんて、私らしくないし、ただただ恥ずかしい。
でも、私は愛海と出会って、少しでも変わりたい、"人"と関わってみたい、そう思えたことに嘘はつけない。
こんなにも私のことを思ってくれる愛海に何か返せているなんて思っていない。
だからこそ、愛海にはちゃんと伝えていきたい。
ありがとう、という感謝の気持ちを。
こんなにも唐突な私の言葉に驚きつつも、柔らかい笑みを浮かべて、愛海は応えてくれる。
「こちらこそ、ありがとう」