君に捧げた7年間

「ちょっと触るね」

愛海は、慣れた手つきでPCを操作する。
その様子を私は横から覗き見していた。




おそらく目的のページにたどり着いたのだろう。
愛海の手が止まった。

「宇宙の湖?」

PCに表示されている一番大きな文字はそれだった。

私は思わず言葉にしてしまった。



「そうそう、クラスに湖宇って男子いるの覚えてる
?」

「……佐々木湖宇?だっけ」

なんとか記憶の中から見つけ出すことができた。
というのも、数回会話を交わしていたからだった。

どんな話をしたのかは覚えていないが、話しやすいと感じたことは確かだった。

「そう、これが湖宇のブログね」
「せっかくだしなんかコメントでもしてやろうかしら」

愛海の悪い顔を見た。

「誰が書いたかわかるの?」

「わからないでしょ、あっちは気になるだろうけどね」

にやりと笑う愛海。
楽しそうだ。
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