君に捧げた7年間

彼女に連れられて教室に入ると、すでに席についている生徒が多数いる。



「見事に知らん人ばっかりだわ」


彼女は納得の表情を見せる。
その言葉に疑問を抱いた。が、すり抜けていってしまった。




彼女は私を引っ張ってくれるが、なぜなのだろう。
彼女には彼女の友人がいるであろうに。なぜ私なんかを気にかけてくれるのだろうか。



そんな疑問を抱えながら、その後すぐにやって来た教師の話をみんな静かに聞いている。


見渡すと知らない顔ばかり。

私の小学校は同学年が20人程しかいなかった。その中で友人と呼べるような子はできなかった。

たった半年しか通わなかった小学校で、友人と呼べる人間関係を結ぶのは私には難易度が高すぎたんだ、と思う。


この中学校は6組まである。もし小学校が同じ友人が居たとしても、同じクラスになる確率なんてたかが知れている。
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