君に捧げた7年間
教師からの連絡事項の伝達が終了した。
今日は入学式だから午前で終わる。
午後からはそれぞれがさらなる交友関係を深めるために遊ぶ約束を結んでいる。
私は早く帰りたいと、荷物をまとめて席を立った。
「眞緒〜」
ああ、彼女の声だ。
私は帰りたいんだ、という思いを押さえ込み振り返る。
「一緒に帰らない?」
元気が溢れる笑顔で問われた。
「帰るだけなら、でも家すぐそこ、です」
私の住むアパートは中学校前の道路を一本挟んですぐだった。
道路を横断すれば2~3分、歩道橋を利用すれば5分くらいである。
そんなすぐそばのアパートであるのに、彼女と帰る必要があるのか不思議だった、
が、断る理由がないためそう伝えた。