君に捧げた7年間
半年が過ぎた。
愛海が社交的であったが故に、私もクラスに少しずつ馴染むことができた。
馴染むことができた、と言ってもただそれだけで、愛海ほど心を楽にして話せる人はいなかった。
部活後の帰り道、愛海に言われた。
「今度の休み遊ぼう」
この半年間、私が学校時間外に遊ぶことに対して、積極的ではなかったことに気づいていたであろう愛海が私に言った。
入学式後の私だったらもちろん失礼を承知で断った。
しかし、愛海との時間は私にとって大切にしたいもののひとつになっていた。
「うん」
「よっしゃ、行きたいお店があるんだけど一人じゃどうも入りづらくて」
社交的な愛海でも一人でお店に入る、という行動は緊張するらしい。
「そのお店に行こう」