ボーイズロード ―first season―
♧11章 見えない相手
5月も中頃に入り、外はだいぶ暖かい。
俺らの住むこの辺りの桜は北海道の中でも遅く咲く方で、そろそろつぼみがひらきそうだった。
俺は今日から自転車通学を始めた。
今まで部活の朝練には参加できなかったが、これからは出られるようになる。
ただでさえ初心者で他の人たちに遅れをとっている分、挽回しないとならない。
さらに6月には定期演奏会が控えてる。
俺が吹奏楽を始めたきっかけとなったのも、この定期演奏会だった。今年はその舞台に立つことなんて、去年の今頃は思いもしなかったのに。
『楠木くんおはよ!今日から朝練がんばってね』
そして相変わらず、いつものメール。
気がつくと俺のメール受信ボックスは、彼女からのメールで埋め尽くされていた。
俺らの住むこの辺りの桜は北海道の中でも遅く咲く方で、そろそろつぼみがひらきそうだった。
俺は今日から自転車通学を始めた。
今まで部活の朝練には参加できなかったが、これからは出られるようになる。
ただでさえ初心者で他の人たちに遅れをとっている分、挽回しないとならない。
さらに6月には定期演奏会が控えてる。
俺が吹奏楽を始めたきっかけとなったのも、この定期演奏会だった。今年はその舞台に立つことなんて、去年の今頃は思いもしなかったのに。
『楠木くんおはよ!今日から朝練がんばってね』
そして相変わらず、いつものメール。
気がつくと俺のメール受信ボックスは、彼女からのメールで埋め尽くされていた。