ボーイズロード ―first season―
まあ、たまにはいいか。

俺は一旦家へ戻りかばんを置き、グローブを持って公園に向かった。


ふと小学校の頃を思い出す。

『渡部、俺ら絶対にプロになろうな!二人でプロに入ってメジャーも目指そう』

『もちろんだ!まずは甲子園だよな。俺がエースでハセが四番だ』


『高校は立堂だよな!あそこはこの辺でも強いし』

『俺もお前も勉強しないと受からねーよ』


あの頃は毎日同じ会話をしていた。

優太のユニフォームが干してあるのを見ると、その会話が昨日のことのように甦ってくるんだ。


公園に戻ると優太がグローブを持って待っていた。

「遅いよ、兄ちゃん!ほら早くして」

「うるせーな。わかってるって」

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