ボーイズロード ―first season―
♧14章 接近
定期演奏会まではちょうど一週間。

今日と明日は定演前の最後の土日で、自然と練習にも気合が入る。


俺は打楽器の中でも主にシンバルを担当しているんだ。

簡単そうに見えるが意外と重たくて、叩き方が半端だとパフッと空気の入った音が鳴るんだよね。

きれいな音にするために、シンバルの合わせる角度や力の入れ方を研究しろと先輩に言われた。


CDも何度か聴いたけど、やっぱり叩き方なんかは実際に見ないとコツはつかめない。

先輩にも何度か手本を見せてもらうが、中々モノにできないでいた。


3時までの部活が終わり、下駄箱で2組の高木さやかと一緒になった。

さやかは中学の時からサックスを吹いている、いわゆる『経験者』。

相談のつもりではないけど、今日の練習のことを話してみた。

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