ボーイズロード ―first season―
店は一段落していて、茜たちの他には客がいなかった。

サラダを置いてくるついでに、茜たちの会話にさりげなく耳を傾ける。


「茜、疲れてるの?ボーッとして。なにか考え事?」

「え?私?えっと、さっきの練習きつかったからかな」


ほら、やっぱりそうだ。

お前の方はまさかの俺の登場に動揺してるんだろ。

今更俺のことが気になるなんて言っても、もうおせーからな。


……なんて。

茜がそうやって動揺しているの、ほんとはちょっと嬉しくなってるんだ。

気持ち知ってもらってからも、俺のことなんて気になってないんだなって思ってたから。

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