ボーイズロード ―first season―
しばらくして、別のお客さんが来店した。

「いらっしゃいませ。あれ、珍しい二人組じゃん。なに?お前ら付き合ってんの?」


琢ちゃんと石川だった。二人は並んでカウンターに座った。


「まさか。たまたま玄関で琢ちゃんに会って、私が勝手についてきただけ。

さっきあおちゃんにも連絡したんだけど、繋がらなくて」


あおちゃん、間が悪いな。直接本人から聞いたことはないけど、琢ちゃんを好きなことなんてバレバレなんだよね。


「いらっしゃいませ。隼の友達?隼の叔母です、いつもありがとう。

ちょうど空いてるし、せっかく友達が来てくれたんなら隼も休憩入ったら?」


俺はエプロンを外し、琢ちゃんの隣に腰掛けた。

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