ボーイズロード ―first season―
「なんだかんだ言って小学校の頃が一番楽しかったよ。純粋に野球を楽しめてさ。

中学の時は渡部達のゴタゴタ以降、俺らの学年も先輩達とはうまくいかなかったし。


高校なんて、この調子だとしばらくはレギュラーなんて無理だもんな。

なんで野球やってんだろってわかんなくなるんだよね。

実際に、既に辞めた一年も何人かいるんだ。最近は他人事じゃなくて、俺も真剣に辞めることを考えているんだよね」


若月が目で何か合図を送ってる。俺に何か言えってことか。

確かにハセのやる気のなさには腹が立つが、中学で野球を辞めた俺に何か言えることがあるのか。


しびれを切らした短気な若月が、ついに口を開く。

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