ボーイズロード ―first season―
そんなこと思ってる間に、すぐ次のバス停に着いた。

ここは茜が乗るバス停だ。


バレー部の茜は普段は朝練のため、雨の日でも早いバスに乗っているはず。

朝練がなくてもバスの本数自体が多いし、俺とかぶる確率も低いだろうけど。


ていうか、別にもう好きじゃないし。バス停に、もし茜が立っていたって全然気にならねーし。

それなのにバスが停まった瞬間、一番最初に乗りこんだのは茜だった。

少しだけ心臓が飛び跳ねたけど、気づかれないようにしながら顔を伏せてノートを見つめる。


だけど、もう俺の隣以外の席は埋まっているんだよね。

茜が席を探している間に次から次へと乗客が乗り込み、押しこまれるように茜は俺の近くまで来てしまった。


……ああ、もう。仕方ねーな。

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