ボーイズロード ―first season―
「お前、俺との接し方わからなくなってるかもしれないけど。

お前が思ってるほど俺、へこんだりしてないから。

でもな、そんな顔されたら結構傷つくんだ。

それなら前みたいに怒ってくれてたほうがましなんだよね」


今更友達になんてなれないし。だからといって無関係にもなれない。


「……それならさ、また前みたいにちょっかいでもだしたら?」

茜は相変わらずカバンのチャックをいじりながら小さく呟いた。


だけど今、言ったよな?その一言で俺の中のなにかが壊れた。


無理やり茜の左手に俺の右手を絡ませ、そのまま親指の爪を撫でる。


「それなら遠慮なく。もう容赦しねえぞ」


バスが着くのと同時に茜は俺の手を勢いよく振りほどき、急ぐようにバスの出口に向かっていった。

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