ボーイズロード ―first season―
しばらく二人で勉強してたけど、教室の中は結構にぎやかだ。

あっちからはニーナとあおちゃんの悲鳴が聞こえるし。


「琢ちゃんどうしよー!俺、因数分解まじわかんねー」


「ねー、数が困って分解って意味わかんないよねー!もう、勝手に困ってりゃいいのにね。

何も分解までして蒼達に迷惑かけなくてもよくない?」


「あおちゃん、こまって分解ってなに。

あ、もしかして漢字?ちょっとよく見て。困ってないから」


「うわ、あおちゃんアホだー!これ見て琢ちゃん、あおちゃんのノート全部困ってるよ!」

「うるさい!アホ検定三段の新名くんに言われたくない!」


あれは琢ちゃん大変だわ。

「困って分解だって。ほんとに困ってるのは琢ちゃんだね」

石川が笑う。俺もつられて笑った。

「でもここだとうるさくてはかどらないね。
ねえ若ちゃん、図書室でも行かない?」


二人で抜け出すシチュエーションにちょっとだけドキッとした。

それでも石川の提案に賛成して、俺らは荷物をまとめて教室を出た。

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