ボーイズロード ―first season―
はっとした。夢から醒めたみたいだ。だけどちょっとだけ、安心もしたんだ。

……危なかった。

何考えてたんだろ、今まで。俺、もしかしてすごく恥ずかしいこと考えてなかった?


「ごめん急に。眩しい?」

「……いや、大丈夫」


石川は当然だが普段通り。

未遂でよかった。もう少し時間が経っていたら、取り返しのつかなくなるとこだったかも。


一瞬だけ頭をよぎった欲望。

普通に考えて絶対にあり得ないことなのに、間違いなく俺の中のリアルな感情だったんだ。


気まずさを感じているのは俺だけなんだろうけど、何か話さないとまた変な気を起こしそう。

問題を解きながらも、石川の匂いを意識せずにはいられない。

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