ボーイズロード ―first season―
♧22章 中間テスト 〜琢ちゃん〜
表には出さないけど、優等生には優等生の静かなプライドがある。

これは俺だけじゃなく、きっと全国の優等生と呼ばれる人達がそうだと思う。

優等生と呼ばれる以上は、それを保たなくてはならないんだ。


気がつけば俺も優等生と呼ばれるようになったのだが、そもそも頭の出来が人と違うわけじゃないんだ。

当たり前だけど俺だって、教えてもらってない問題は解けない。

だからテストは人一倍頑張るんだ。絶対に平均点で落ち着いてはならない。


そして努力の跡は決して人前に出さない。クールに成績だけを残すんだ。

それが俺の優等生の定義。


誰かに期待されているわけでもないし、俺も何を目指して努力しているのかわからなくなるときがあるけど、成績優秀を絶対に守らなきゃならないって思っているんだよね。

だって優等生じゃないと、俺でなくなってしまう気がするから。

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