ボーイズロード ―first season―
真上からの太陽にじりじりと照りつけられながら、俺は自転車を漕いで『木もれ日』に向かった。

くっそ、こんなに汗かくんじゃシャワー浴びた意味がないんだけど。


到着した頃は、なんだかんだで12時を過ぎてしまった。昼時で店の中は少し混んでいるみたい。


「よお、若。いらっしゃい」

「フレンチトーストとブラックちょうだい」

いつも座っているカウンターの座席に腰掛けた。ニーナが暇な日はここで話したりもするが、今は忙しそうだ。


「アイスコーヒーでいいべ?」

「いや、ホットにして。濃い目にできる?」

「カフェオレ派の若が珍しいな。お前、ブラックなんて飲めんのかよ」

「たまにはそんな気分の時もあるの」


「しかしこんな暑いのによく飲めるな。コーヒー入れるこっちも汗かくんだけど」

「いいからホットね」


ニーナはぶつぶつ文句を言っていたけど、今は温かくてうんと苦いのが飲みたい気分。

食べ物が来る前に、口の中を洗うように水をがぶ飲みした。

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