ボーイズロード ―first season―
「あのさ、言ったじゃん俺。さやかに恋愛感情抱いてるわけじゃないって。

だから二股かけられても、さやかにどんなこと言われても、俺は傷つかないんだよ」


さやかの目を見て話せないのは、それがほんとの気持ちじゃないからなのかな。

口では半分出まかせでべらべら喋っているけど、もし本当に二股なんてかけられたりしたらやっぱりつらいと思う。


「それならどうしてそこまで…」


手段はずるくても、俺はさやかと一緒にいたい。多分、それだけなんだろうな。


「別に、深い意味はないよ」


日が暮れる。

太陽が沈む西の空をバックに、さやかが柔らかく笑った。


そして俺はそんな顔を見るのも初めてだったんだ。

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