ボーイズロード ―first season―
「お前、俺のこと怖くないのか?

野球見てたなら俺が起こした事件だって知ってんだろ」


「事件、って?」


一瞬だけ間があいた。小ザルはきょとんとしてたが、すぐに思い当たった顔をして、


「……ああ、あれね。その話って、わざわざ賢太くんから蒸し返したりする?そこまでして俺に近寄ってほしくないの?

俺にしちゃ噂なんてどうでもいいんだけど」


やっぱりな。野球部でないこいつも知ってたってことは、あの噂は相当でかくなっているんだろう。


あの事件。それは俺らが中2の頃の夏だったんだ。


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