ボーイズロード ―first season―
「知らないの?琢哉最近モテるみたいだよ。

部活でもあんたのこといいって言ってる人、何人かいるんだよ」


「そんなの知ってるよ。前に、クラスの子のアドレスだって教えてくれたしょ」

「それはホント、ごめんって」


急にさやかが話題を変えて、二人の間にいつもの空気が流れる。

一緒に帰ったり話したりしたことは久々って程でもないのに、なんだか懐かしさを感じてしまった。


「送るよ、さやか」

やっぱりさやかといると時間が経つのが早く感じる。名残惜しかったけど、さすがにもう暗くなってしまったから、立ち上がって自転車にまたがった。


「あ、ねえ待って、さっきの話」

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