ボーイズロード ―first season―
ま、冗談はさておき、若月も梅木も信頼されたら応えてくれる奴だ。そういうこと、石川はわかってやらないとだめだと思ったんだよな。


あ、ちょうど電車がきたみたいだ。

「……おい石川?電車来たぞ」


ふと横を見ると石川は泣いていたのだ。しまったと思った。どうせ泣かれるのなら最初からズバッと言えば良かったとも。


「悪かった、言い過ぎたよな」

こういうときニーナならハンカチなんて差し出すのかな。いや、あいつがそんなの持ち歩いてるとも思えないけど。


「ううん、思い当たることあったなって」

さすがに泣いてる女の子を一人にするわけにもいかなくて、石川の隣に腰を下ろした。


もうさすがに涙は流していないが、目が赤いままだった。

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