ボーイズロード ―first season―
子供の頃は家族四人で花火を見ていた。

だけど俺が小学2年生になった頃、一つ上の兄、透と二人で花火を見に行くようになったんだ。

「たまには父さんと母さんでデートでもしといでよ。隼の面倒は俺が見るからさ」


もちろん両親は小学生を二人だけにすることは反対した。そこで頭の回転が速かった透はでまかせを言ったんだ。

「二人じゃないよ。児童館の皆で行くから。先生も一緒だし大丈夫だよ」

「透、隼から目を離したらダメだからね。
隼もお兄ちゃんの言うことを聞きなさいよ」


俺と透は年子ということもあり、小さな頃からとても仲が良かった。

年が近い兄弟はライバル意識を持つとよく聞いたが、俺は透のことをとても慕っていて、憧れでもあったんだ。

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