ボーイズロード ―first season―
♤30章 打ち上がる思い、散る思い
記憶の中での最後の花火大会は、俺が中一の頃でその時の野球部の連中とだった。

部活帰りに泥だらけのユニフォームのまま、家に寄らずに真っすぐ河川敷に行ったんだ。


どうせ泥だらけの格好だからって、リーグ優勝だ!とか言いながら、プロ野球のビールかけさながらに、お互いにラムネをかけ合っていたっけ。

側にいた警備員に注意されてすぐにやめたんだけど、今でも俺の数少ない野球部の思い出の一つになっている。


そして今年は男4人で、これまた暑苦しく花火を見る予定。

俺らの場合のメインは花火ではなく、食い物だよなってあいつらは言ってたけど、全くもって同感だ。


待ち合わせ場所に到着する前に若月と合流した。

「やっぱ賢太くん便利。でかいからすぐ見つかるわ」

このクソガキはすぐ俺を目印にする。

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