ボーイズロード ―first season―
琢がいることに、梅木も気づいたべか。

ちらっと梅木の様子を伺うと、石川とお互いのかき氷を食べさせ合っていた。

人混みのせいで2人が何を話しているかは聞こえなかったが、どうやら琢のことは気づいてなさそうだ。


もう一度振り返り、琢の姿を確認する。すでに見えないくらい遠くにいた。

多分もう大丈夫だ。


その後もしばらく俺らは縁日を回っていた。花火は8時からだ。


「そろそろ河川敷の方にいく?」

「ん?もういい時間?」


皆で河川敷の方に向かおうとしたその時だった。俺は石川が言うまで気付かなかったんだ。梅木の様子がおかしいことに。


「あおちゃん、なした?具合悪い?」

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