ボーイズロード ―first season―
「ねえ賢太くん。両思いってすごいよね。

好きな人に、同じように好きになってもらえるってどんな気持ちかな。

もし琢ちゃんとそうなれたらさ、これほどの幸せってないんだろうね」


俺だってもう気持ちは限界だった。梅木のことをなぐさめてやらないとならないのに、もう抑えることができない。


「……俺だって同じこと思ってる」

「え、なに?」


「お前と同じだよ。両思いになること、ずっと考えてる。

……俺、お前のことが好きなんだ」


言ってから後悔した。

何もこのタイミングじゃなくてもいいだろ。梅木の目が泳いでしまっている。

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