ボーイズロード ―first season―
「若ちゃん、そろそろ花火始まるよ。場所確保しないとね」

そういって石川は、河川敷の側の芝生にあるベンチに座った。会場の人混みからは少し離れたところだった。


「空いてた空いてた。ラッキーだね」


花火が始まるまではいろんなことを話した。

夏休みということもあって、最近はこうして二人で話すこともなかったから久々に楽しかった。


さっきまで何を話していいかわからなかったのが嘘みたいに、次から次へと話のネタは尽きない。


そんな中で、なぜか俺は初めて石川と話した頃を思い出していた。

最初から一緒にいて楽しくて、ずっと話していたいって思ってた。


そして気がついたら俺は石川を好きになっていた。

だけど、今だから思うんだ。俺はきっと最初に話したときから石川のことを好きだったのかもしれないな。

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