ボーイズロード ―first season―
「気づいていたと思うけど、ちょっと最近クラスの人間関係で悩んでたんだ」

ある程度の予想はしていたけど、やっぱりそうだったんだ。


「……もうそれは大丈夫なの?」

「うん、頑張ることにしたから」

「それで、お礼って?」


「少し変なこというけど、若ちゃんが後ろにいてくれてだけで、すごく心強かったんだ。

気持ちがやられていた時も、若ちゃんが後ろにいてくれたからだよね。なんだか守られている感じがして。

頑張ろうって思えるのも、きっと若ちゃんのおかげ」


そうやって言ってもらえたのは嬉しかった。だけど実際に俺は何もしていない。


もちろん俺だって、石川を不安から守ってあげたい気持ちはすごく大きかった。

でも結局、何も行動には移せなかったんだ。

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