ボーイズロード ―first season―
駅に着くと、すでに石川の兄ちゃんは待っていた。
見たことある人だなと思った。そうだ、緑中野球部で四番を打っている石川だ。
なんだ、石川の兄ちゃんだったのか。
俺らの一つ上だったっけ。緑中の練習試合は何度か見たことがある。
石川の兄ちゃんの引退試合を俺は見ることができなかったけど、賢太くんの学校と対戦しているはずだ。
どっちみち、野球部ではない俺のことは知らないと思う。
「はじめまして。若月です」
「晴菜、彼氏いたの?送ってくれてどうもな」
「やだ兄ちゃん。違うよ、友達」
あっさり否定されたのが悲しかったけど、だけど今は仕方ない。
「じゃあ、また学校でね」
二人の後ろ姿が改札の奥に消えてしまうと同時に、夢から醒めたみたいに周りの景色が変わってしまった気がした。
見たことある人だなと思った。そうだ、緑中野球部で四番を打っている石川だ。
なんだ、石川の兄ちゃんだったのか。
俺らの一つ上だったっけ。緑中の練習試合は何度か見たことがある。
石川の兄ちゃんの引退試合を俺は見ることができなかったけど、賢太くんの学校と対戦しているはずだ。
どっちみち、野球部ではない俺のことは知らないと思う。
「はじめまして。若月です」
「晴菜、彼氏いたの?送ってくれてどうもな」
「やだ兄ちゃん。違うよ、友達」
あっさり否定されたのが悲しかったけど、だけど今は仕方ない。
「じゃあ、また学校でね」
二人の後ろ姿が改札の奥に消えてしまうと同時に、夢から醒めたみたいに周りの景色が変わってしまった気がした。