ボーイズロード ―first season―
今のこの時間は6時間目のHRだ。若月は相変わらず実行委員会で不在だが、琢とニーナと俺は、他の山車担当とぐだぐだと山車作りに取りかかっている。


「そういえば賢太くん、噂になってるよ。花火の時、女子といちゃついてたって」

「あ、それ俺も聞いた。なに、花火って3人で行ったんじゃなかったの?」


花火の日、梅木といたところをどうやらクラスの奴らに見られたらしい。さっき、若月にも同じことを聞かれたところだ。


「まじで?誰なの?相手」

「ねえねえ賢太くん、琢ちゃんに教えちゃってもいいでしょ?」


ニーナがニヤニヤしながら聞いてくる。どうせ拒否したところで、絶対にこいつはどこかで琢に言ってしまうんだろうけど。


俺らがふたりでいた姿はクラスの何人かに見られていたらしい。ただ暗いせいもあって相手が梅木だということは、噂からしてバレていないようだ。

俺はどうしても身長のせいでバレバレだったらしいけど。


だけど当日一緒にいたニーナや若月は、相手が梅木であることを知っている。

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