ボーイズロード ―first season―
「……たまたま今回は相手も許してくれた。

だが渡部。来年は高校入試も控えていることだ。感情的になる前によく考えなさい」


ここには二人も先生がいるのに、誰も俺を信じてくれないのか……


その晩、学校は両親を呼び出した。

失望した俺がどん底まで落ちなかったのは、両親が学校の話を信じなかったからだ。


「賢太、こんな部活こっちからやめてやりなさい。

野球は高校に入ってもできるんだから。

あんたがそんな事しないことぐらい、母さんも父さんもわかってるよ」


「まず桜田中の生徒の話もおかしいよな。

なぜ賢太が殴ったと言い切るんだ。相手は賢太の事を知ってる奴ってことなのか?」


俺もそれは思っていたが、そんなことももうどうでもよかった。


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